新潟県の三条、燕は、日本一の金属洋食器と金物の産地ですが、いま転業・廃業する業者が続出中。円高で下請けの工賃が下がったせいです。生き残る努力をつづけている業者は、作業能率を上げようとプレス機械の安全装置をはずしたりして、1987年1年間の事故は前年よりも24%増、93人が合計で152本の指を失ったと言われます。ここにかぎらず日本各地で、今回もまた円高が原因で不況が生じました。円高になると、まず、輸出に頼る度合いの強い産業、企業、そしてそういう企業に関係する人が多い地域で、景気の後退が生じます。次いで、その影響が他の産業、企業にも波及し、日本経済が全体として不況におちいります。それを円高不況と呼んでいます。円高で不況が起こる筋道を追ってみましょう。1つは円高で輸出価格が高くなることです。
アメリカは広大な国土を持っているため、狭い日本からは想像できないくらい大きな地域格差が存在します。しかも、産業構造の変化や周囲の環境の変化によって地域構造も変化しています。そこでここではアメリカの地域構造の変化をダイナミックに捉え、将来の展望にも少し触れてみましょう。まず、アメリカの地域構造の現状をみてみましょう。アメリカの各地域の州別総生産(GrossStateProduct:GSP)、1人当たり個人所得、失業率、会社設立・倒産数を表しました。プロローグに掲載した地域構造、ニュー・イングランド、中部大西洋岸、南部大西洋岸、太平洋岸のいわゆる両岸地域は、面積では全米の25.7%なのですが、人口では全米の53.6%を占めています。GSPに関しても全米の56.9%を占めており、マクロでみた生産がこの地域に集中していることがわかります。
アメリカと日本の経営手法には大きな違いがあることは、多くの指摘があるとおりです。日本の大手の企業で幹部候補となる大学卒業生については、就職は専門的能力を買われて特定の職につくと言うよりは、全人格的に会社に所属しジェネラリストとして昇進することが目指されます。このため給料も職務給ではなく年功序列給となっていますから、勤務年限が長くなるほど有利となり、大過なく堅実に勤めることが美徳となります。勤務評価も加点主義ではなく減点主義であり、周囲からの人物評価(これは、必ずしも能力評価を意味しません)が重視されるために個性が減殺され、金太郎飴的な人間が大量に生まれることになります。命令系統はピラミッド型組織の上令下達となり、下からの意見やアイデアは上に昇るにつれて無害化されたり、消えてしまうことが多いわけです。反面、企業グループとしての結束が堅く、本社を頂点とする多数の系列会社、関係会社がピラミッド的に形成されている姿は、かつての「威風堂々たる連合艦隊」を思わせるものがあります。このピラミッド内ですべての生産が完結するようになっていますから、取引も閉鎖的なグループ内での取引が主体です。こうした経営体制は必ずしも悪いとは言えず、高度成長を支えた規格品の大量生産が主流であった時代には向いていた組織と言えます。ただ、今後とも有効かどうかは別問題です。
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